環境にやさしくて、おいしい!

 

~サステナブル・シーフードを皆さまに~

 安心で美味しいものを、旅の中でもご提供したい。しかし、年々深刻さを増す気候変動やそれに連なる、世界規模での過剰漁業や違法漁業などの海洋問題を、「海」を旅の舞台として世界中を周遊する私たちとしては真摯に受け止め、サステナブルな食の在り方として、2019年4月にMSC・CoC認証の取得にいたりました。
 これにより、サステナブル・シーフード(持続可能な水産資源)に対する料理提供者の認知と理解を促進し、国連の掲げる持続可能な開発目標(SDGs)のゴール14「海の豊かさを守ろう」また、ゴール12「つくる責任つかう責任」を支持し、海の環境や生態系を守るとともに、「食」という身近なところからSDGs達成への貢献をめざします。

 MSCラベルとは、海洋管理協議会(Marine Stewardship Council)が発行している、水産資源や生態系に配慮した漁業による水産物の証です。「海のエコラベル」とも呼ばれ、対象となるのは、天然の水産物です。厳正な環境規格をクリアした漁業で獲られた水産物にのみ、その認証が与えられます。
 認証を取得した水産物には「ラベル」が付けられるため、加工・流通・小売事業者も、容易に判別し、サステナブル・シーフードを選択することができます。
そして、MSC認証を取得した認証水産物がこの「海のエコラベル」を付けて消費者のもとに届くためには、もう一つ必要な認証があります。それがCoC認証です。

 CoCは「Chain of Custody」の略で、「加工・流通過程の管理」を意味します。水産物の流通・加工の過程では、認証水産物と、そうでない水産物が混じってしまう可能性があります。こうした認証されていない水産物の混入を防ぐため、製品がたどってきた経路を遡ることができるよう、トレーサビリティを確保するしくみが、CoC認証です。
 ジャパングレイスは水産物の消費者であり、お客様への提供者であるというサプライチェーンの立場から、このサステナブル・シーフードのトレーサビリティを確保すべく、漁業者から消費者まで、誰もが責任ある持続可能な水産資源の利用に参加できるしくみであるCoC認証を取得いたしました。

 寿司ネタや刺身などで提供していたマグロ、イトヨリ、ウナギがIUCN(国際自然保護連合)の絶滅危惧種に指定されレッドリストに入ったことを受け、本船での提供をとりやめ、マグロについては、完全養殖に成功したもののみの取り扱いとしていました。
 今後は、MSC・CoC認証番号の付いた水産物については、お客様への提供時にはメニューに認証契約組織のみ使用が認められるエコラベルの記載をしてまいります。

 ピースボートクルーズは、このMSC・CoC認証を取得した世界で初めてのクルーズ客船となりました。多くの人びとと海の美しさ、豊かさを分かち合うクルーズ業こそ、こういった取り組みに積極的に参加をしていく必要性があると考えます。
 私たちのクルーズのお客様におきましては、安心して美味しいお食事を楽しんでいただくために、さらには環境問題について、もっと気づきと知見を高めていただくために、今後も「新しい切り口の食文化」として、サステナブルな食の取り扱いを深めてまいります。

 

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